漢方薬はさまざまな症状を改善する、
生薬の組み合わせによってできた医薬品です。
現在日本で用いられている「漢方薬」は、
長い歴史の中で生薬の種類、量、
組み合わせなどが工夫されて、
薬として確立されたものです。
また、薬として確立されたものは、
「処方」とも呼ばれます。
中国から伝わった処方のなかで、
江戸時代に使われたものが中心となっていますが、
「乙字湯(おつじとう)」、
「七物降下湯(しちもつこうかとう)」など、
日本で独自に作られた処方もあります。
漢方薬は天然の生薬を使用し、
ひとつの処方は原則として
2種類以上の生薬で構成されていますので、
多くの成分を含んでいます。
そのために、ひとつの処方でいろいろな
病状にも対応することができます。
漢方では、症状ひとつだけを見るのではなく、
体全体、その人そのものを見ます。
また、体と心はつながっている
という考え方から、心のはたらきも
その人の一部として考えます。
このことから、一見関係のないように
見える複数の症状に、1つの漢方薬で
対処できることもあります。