皆さんにとって薬の「副作用」とは
どのようなイメージでしょうか。
ほとんどの方が、怖い、悪い、
といったようなマイナスイメージを
持たれるのではないでしょうか。
薬の説明を受けるときでも
「この薬は〇〇の副作用に気を付けてください」
と注意喚起のように言われますよね。
副作用という言葉は「本来期待される作用
(主作用)以外の作用のこと」を意味します。
効いて欲しい部分だけに効く(主作用しかない)
薬があれば理想ですが、飲み薬などは
血液に入り全身をめぐるので、副作用が全くない
薬をつくることはなかなか難しいことなのです。
しかし実は、薬の副作用を
逆に利用する場合もあります。
寝つきを良くする市販薬の中には、
比較的古いタイプのアレルギーを抑える薬がもつ、
眠気という副作用を利用して
つくられている薬があります。
また血圧を下げる薬の中には、
コンコンという乾いた空咳が
出やすいタイプの薬があり、
この空咳という副作用を利用して、
誤嚥のリスクが高い高血圧症の
患者さんに使用されることもあります。
このように現場では、副作用を
有効に利用することもあるのです。
とはいえ新しい薬を使うときは、
大きな副作用が出ないか不安になりますよね。
副作用にも、だんだん身体が
慣れて軽くなっていくものや、
程度によっては受診が必要なもの、
すぐに中止したほうがいいものなど様々です。
使用するタイミングや、
アルコールなどの飲食物との併用で
増強される副作用もあるので、
「普段は出なかったのに、
お酒を飲んだら副作用が出た」
などというケースもあります。
薬剤師がお酒やタバコの頻度、
食事や睡眠などの生活スケジュールを
尋ねることがあるのもそのためです。
ただ、初めての薬を使うときに
「副作用」に敏感になり過ぎて
不安なまま使用しては、
効くものも効かないと思います。
少しでもその不安が解消されるように、
いつでも薬剤師にご相談ください。
また使用中の薬で「これは副作用かな?
どうなんだろう?」と判断に迷うことがあれば、
お気軽にお尋ねください。