妊娠している女性、もしくは
妊娠している可能性のある女性が
使用を避ける医薬品があります。
薬物を服用することで催奇形性や、
胎児毒性などの影響を受けることがあります。
一方で薬を飲まなかったことで、
お母さんの病気が悪化し
赤ちゃんに先天的な病気が起こったり、
発育が悪くなったりすることもある為、
薬による正しい治療が必要な場合もあります。
今回は風邪症状の時によく使用される
薬の中から妊娠中には避けていただきたい
成分を紹介したいと思います。
まず、発熱した際によく
使用される解熱鎮痛剤ですが、
市販の風邪薬にも入っているロキソニン、
バファリンなどに代表されるNSAIDsは、
流産を引き起こす可能性が報告されていたり、
胎児動脈管早期閉鎖との関連性により
妊娠後期(妊娠28週以降)は禁忌とされています。
後は病院でよく処方される抗生物質です。
抗生物質の中には、妊娠中の使用に
注意が必要なものがいくつかあります。
アミノグリコシド系
(例:ゲンタマイシン、ストレプトマイシン)
は非可逆性Ⅷ脳神経障害、
先天性聴力障害などの危険性があります。
妊娠中禁忌の薬ではないですが、
避けることが望ましいです。
テトラサイクリン系
(例:ミノサイクリン、ドキシサイクリン)
は中・後期に歯牙着色や、
エナメル質形成不全などの危険性があり、
妊娠中は服用禁忌とされています。
ニューキノロン系
(例:ラスクフロキサシン、レボフロキサシン)
は胎児発育遅延、胎児骨格異常(胎児助骨短小)
などの危険性があり妊娠中は
服用禁忌とされています。
風邪予防のために使用することも多い
ヨード(ヨウ素)を含むうがい薬ですが、
ヨードは胎盤を通過し、
胎児が甲状腺中毒になる為、
長期の使用は避ける必要があります。
他にも、妊娠中には慎重に
使用したい風邪薬がありますので、
使用する場合には医師、薬剤師に必ず相談し、
お母さんの体調を第一に考えていきましょう。